2015年07月14日
CafeStaの安倍晋三特番が酷かった話
安保法制について、国民の疑問や不安に安倍晋三首相が分かりやすくお答えるという、ニコ生の自民党の公式チャンネル「CafeSta」の特番。
5夜にわたって放送されたのだが、20150710放送の「平和安全法制は憲法違反なの?」というテーマの第4夜を見ていて、ちょいと首をかしげた。
MCの牧島かれん衆議院議員が、番組後半で国会の憲法審査会での 小林節(慶應義塾大学名誉教授 弁護士)の発言として紹介した部分。
問題のシーンは16:00~
以下がテキスト起こししたもの。
政治家というのは、それぞれ現実と向き合っています。
学者は、利害を超えた世界の坊主みたいなものであり、神学論争を言い伝える立場。
「神学でいくとまずいんだ。では、元から変えていこう」という風に政治家が判断なさることはあると思う。
そういう意味で、我々は字面に拘泥するのが仕事でありまして、それが現実の政治家の必要とぶつかったら、それはそれで調整なさってください。
日付も特定せず単に「憲法審査会」と言って紹介したからには、今回の安保法制問題で、潮目の変わり目となった20150604開催の衆議院憲法審査会だと、誰でも思うだろう。
小林節を含む二人の野党推薦の参考人だけでなく、与党推薦の参考人までもが今回の安保法制は違憲だと証言した審査会だ。
私はその動画を何度も見ているのだが、そんな発言を聞いた記憶がなかったので、再度見てみた。2時間30分ほどの動画を、頭からお尻までネッチョリと・・・。
で、当該発言は発見できず。
うーん、どういうことだ。何年も前の憲法審査会のことなのだろうか?
しかし、「字面に拘泥」という言葉は、20150604の衆議院憲法審査会を受けて、高村自民党副総裁が、「憲法学者はどうしても(戦力不保持を定めた)憲法九条二項の字面に拘泥する」ってコメントしたことへの応答なのだろうな・・・。
つーことで、よくよく調べたら正解は、20150622・衆議院平和安全特別委員会「参考人質疑」でした。
もしや、MCの牧島かれん衆議院議員は意図的に間違ったのか!?
その方が、なにかと都合がいいよね。違憲発言はしたけど、同じ場で「私は所詮学者。政治家は別の判断基準で決めていただいて結構です」なんて趣旨の発言をしているとしたら。
恐るべし自民党。
つーか、発言の要約というか端折り具合がひどい。以下がオリジナルの文字起こし分。
問題のシーンは1:42:50~
政治家というのは、それぞれ現実と向き合っています。
ですから、国会にもたくさん法律家たる政治家がおられますけど、その方たちは政治家として言動しておられますよね。だから、やっぱり必要優先の議論をなさる。
それに対して、過去・現在・未来にわたって、一貫した法治国家じゃなきゃいけないという点から、法制局の方たちもお話しするし。
我々は、利害を超えた世界の坊主みたいなものでして、大学という所で、のびのびと育ててもらっている人間ですから。利害は知りません。
ただ、条文の客観的な意味はこうなんですと、神学論争を言い伝える立場にいるわけです。
それは当然、参考にしていただかなければ困るんで。事実として。
「そうか、神学でいくとまずいんだ。じぁ、元から変えていこう」という風に政治家が判断なさることはあると思うんですね。
そういう意味で、我々は、字面に拘泥するのが仕事でありまして、それが現実の政治家の必要とぶつかったら、それはそちらで調整なさってください。
我々に決定権があるなんて、さらさら思ってもいません。問われたから、我々の流儀でお答えしたまでのことです。
朱太書きの部分が、一番重要であるのに、すぱっっと割愛ww
「字面に拘泥」「神学論争」「そちらで調整」なんてワードは、高村副総裁の発言への痛烈なブラックジョークなんだけど、それを引用するのは、バカにされているのさえ気づけていないということですね。
cafesta特番、20150713放送の「やっぱり心配。徴兵制。」というテーマの第5夜の辻元清美議員を巡るMC丸川珠代参議院議員の粗相もなんだかなぁだし・・・。つーか自民党の謝罪文が、かつての私のヒーローであった「馳浩」名なのがセツナイ。
なんだかやることが超セコいよねぇ。
総理大臣が自ら出演する番組だってのに・・・。マギー司郎やマギー審司的なタネしか仕込んでないのに、あたかも自分がデビッド・カッパーフィールドになったかのような振る舞いで、チープなマジックを見せられているかのようである。
哀しすぎて、涙を流す気力も湧かない・・・。
Posted by 今仁 at 23:35│Comments(0)
│安保法制
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