2010年08月16日
カーキー
昨日は終戦の日だった。
テレビではいくつもの関連番組をやっていた。
で唐突に、はるか昔、何十年も前に戦争について書いたテキストを思い出した。
高校三年生の頃、文系な人間なのに数学の授業が毎日あるクラスで喘いでいた頃のものだ。
積分やら数列やらの、異惑星の言語のように聞こえる語彙をBGMに書いていたやつだ。
老後に見返すと面白いかもと思いとっておいたノートから、文字起こししてみました。
うーん、その頃の私は何を訴えたかったのだろう・・・・。
カーキー
戦争が始まる 激しい雨が降り終わった後に
ほんもののアーミー・ルックに自分を隠し
右肩にライフルのけだるい重さを感じる時がくる
険しい目つきに顎の髭がなじむ頃
俺は熱帯雨林のジャングルの中
ヤリツクサレ棒をツキタテラレタ裸の女
飢えが大きくした腹を空に突出す子供
72発の弾丸を孕んだ首なしの男
そいつらの魂は木の蔦にしがみつき
昇天しようとはしない
死体に湧いた愛はカーキー色の
ズボンの裾から這い上がってくる
やがてそいつは俺のカラダを覆い尽くし
透明な快楽と共に俺を骨抜きに変える
愚かなプロセスが繰り返される
忘れ去るためだけのプロセスが
慣れすぎた平和の中で誰もが
残酷な仕打ちを待っている
変化をなくした時代など初めからありはしないのさ
俺はヘビを食う ゴムの木にカラダを預け
消えかかる濡れた小枝の焚き木さえ
過ぎ去った安息と平和を取り戻せと心に咆える
死体の臭いも鼻につかなくなれば
人はもっと大きな死を嗅ぎたくなる
乾ききった金属の音に振り返ってみれば
ライフルをかまえた兵士には老いすぎたオトコ
たった一発の弾丸が俺の心臓を捉える
俺の心の妙な落ち着きとは裏腹に
オトコは怯えて震えだす
死体に湧いた愛はドクダミ色の
ズボンの裾から這い上がってくる
やがてそいつは俺の魂を宿しながら
オトコのカラダを這い回り思考を溶かし始める
肥り過ぎてしまって動けなくなった
イヤラシイほど白い愛がいる
それがほんとは俺なんだ
誰もがいつかは生まれ変わるはず
変化をなくした時代など 初めからありはしないのさ
テレビではいくつもの関連番組をやっていた。
で唐突に、はるか昔、何十年も前に戦争について書いたテキストを思い出した。
高校三年生の頃、文系な人間なのに数学の授業が毎日あるクラスで喘いでいた頃のものだ。
積分やら数列やらの、異惑星の言語のように聞こえる語彙をBGMに書いていたやつだ。
老後に見返すと面白いかもと思いとっておいたノートから、文字起こししてみました。
うーん、その頃の私は何を訴えたかったのだろう・・・・。
カーキー
戦争が始まる 激しい雨が降り終わった後に
ほんもののアーミー・ルックに自分を隠し
右肩にライフルのけだるい重さを感じる時がくる
険しい目つきに顎の髭がなじむ頃
俺は熱帯雨林のジャングルの中
ヤリツクサレ棒をツキタテラレタ裸の女
飢えが大きくした腹を空に突出す子供
72発の弾丸を孕んだ首なしの男
そいつらの魂は木の蔦にしがみつき
昇天しようとはしない
死体に湧いた愛はカーキー色の
ズボンの裾から這い上がってくる
やがてそいつは俺のカラダを覆い尽くし
透明な快楽と共に俺を骨抜きに変える
愚かなプロセスが繰り返される
忘れ去るためだけのプロセスが
慣れすぎた平和の中で誰もが
残酷な仕打ちを待っている
変化をなくした時代など初めからありはしないのさ
俺はヘビを食う ゴムの木にカラダを預け
消えかかる濡れた小枝の焚き木さえ
過ぎ去った安息と平和を取り戻せと心に咆える
死体の臭いも鼻につかなくなれば
人はもっと大きな死を嗅ぎたくなる
乾ききった金属の音に振り返ってみれば
ライフルをかまえた兵士には老いすぎたオトコ
たった一発の弾丸が俺の心臓を捉える
俺の心の妙な落ち着きとは裏腹に
オトコは怯えて震えだす
死体に湧いた愛はドクダミ色の
ズボンの裾から這い上がってくる
やがてそいつは俺の魂を宿しながら
オトコのカラダを這い回り思考を溶かし始める
肥り過ぎてしまって動けなくなった
イヤラシイほど白い愛がいる
それがほんとは俺なんだ
誰もがいつかは生まれ変わるはず
変化をなくした時代など 初めからありはしないのさ
Posted by 今仁 at 21:02│Comments(0)
│テキスト
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。