2010年11月30日
コルトレーンと憂歌団
はじめて買ったジャズのCDは、ハンク・モブレーの「ディッピン」だった。
それはそれで気に入っていたある日、NHKのFM(90年前後?)でやっていたジャズ番組に油井正一さんがゲストで出演し、モダンジャズの名曲選という趣旨で放送された「サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」を聞いてぶっ飛んだ。
「サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」はマイルス・デイビスの超有名なディズニーのカバー曲なのだが、問題はモブレーとコルトレーンが競演していることだ。二人はそれぞれソロをとる部分があるのだが、その落差が激しすぎるのだ。
その時の油井さんの解説によると(記憶が少々不確かだが)、マイルスは自分のグループを抜けていったコルトレーンのスタジオへの到着を待って、何度もテイクを重ねていったそうだ。
正規メンバーのモブレーのサックスに満足できずに・・・。
コルトレーンのシーツ・オブ・サウンズと呼ばれる奏法は、コードの構成音を無理やりぎっしりと空白なく敷き詰めた乱高下の激しい長いフレーズの演奏とでも表現してよいのだろうか。
モブレーの演奏と比較すると、演歌とラップぐらいの差を感じた。
そんな経緯でコルトレーンを聞き出したのだが、my favorite song はもちろん「My Favorite Things」だ。
今から四半世紀も前にはじめて買ったレコードは、憂歌団のセカンド・ハンドというアルバムだった。
その中にガーシュインのサマータイムのカバーが収録されていて、ジャズ的なものにふれた最初になった。
もちろん、憂歌団のそれはコテコテのブルースなのだが。
コルトレーンの「My Favorite Things」にもサマータイムのカバーが収められているなんて、運命のイタズラあるいは必然だったのだろうか(ただの偶然 ? ! )。
ところで、セカンド・ハンドの曲で「たくわん」というのがあるのだが、カラオケで歌うと最高だ。
もっとも、カラオケの種類によってないところも多いのだが。
歌詞がふっとぶほどシブくてエロくてメランコリックなのだが、シジュウをこえた今でもちと恥ずかしい歌詞なのに15才で聞いていたなんて、今更ながら怖くなる。
つーか、もっと怖いのは憂歌団が(ボーカルの木村が)22歳でこの曲を歌っていたことだ。
「たくわん」 憂歌団
詞:沖てる夫 曲:内田勘太郎
サンジュウさせごろ シジュウはしごろ
今じゃそれもすぎ
ゴジュウの坂をくだり始めて お先 真暗
俺の生涯 抱いた女は
田舎に残した カカア一人
たくわんみてえな 田舎の女
カカア一人だけ
Posted by 今仁 at 23:34│Comments(0)
│逡巡
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