2011年05月09日
もしドラと愛の貧乏

NHKの総合で放送されていたアニメ「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を最終回を含め数回見てみた。
2005年から2007年までAKB48アシスタントプロデューサーだった岩崎夏海の原作である「もしドラ」はミリオンセラーを記録し、AKB48の前田敦子主演で映画化も決定し、2011年6月に公開が予定されている。
アニメを見た私の認識では、「もしドラ」はマネジメントを学び、顧客ニーズを正しく把握しイノベーションを実践する過程で、新たな高校野球の戦術メソッドを採用することにより、甲子園出場を目指す高校野球部の女子マネージャーと部員と監督の物語である。
多分、そうだと思う。
うーん、原作も読んでないし、そのまたモチーフのドラッガーの「マネジメント」も読んでいないので違う可能性大w
ちなみにその戦術メソッドとは、「ノーバント・ノーボール」というもの。自分を犠牲にする送りバントはしない、投手は誘い球で意図的なボールは投げないというやつなのである。
で、ベタに甲子園に行っちゃうんだろうな、個人的には決勝で負けるというサディスティックなオチがいいなと思いつつ最終回を見ていた。
すると、リードされて迎えた9回裏2アウトで元キャプテンの四番打者がセーフティバントをやっちまった・・・。
おまけに、そのバントの後に相手チームが次打者を敬遠すると(四番打者は相手の悪送球で二塁に)、監督は自己犠牲でないセーフティバンドを肯定した上で、「敬遠のフォアボールはいかなる場合でも使うべきではないというイノベーションをここで起こす」とのたまうのである。
おいおい、顧客ニーズ(イケイケの打撃型のすかっとする野球を見たいという観客の欲望)に忠実であろうというロジックはどこに行ったんだ??
いかなる場合でもバントも使うべきでは無かったのではないか??
なんだか、ターミネーターのタイムパラドックスを不必要に考え続けるみたいに頭の中が五里夢中状態になってしまったよ、ぐすん。
プロジェクトマネジメントのお手本としては、同じNHKの教育でやってた(秋から新シリーズ再会)「バクマン。」の方が良質なんではなかろうかと思ってみたりする。
そんなこんなで、甲子園に行けたかどうかは、皆さんで個々にお調べくだされw

まぁなんだ、組織のマネジメントに取り組もうとしても、その前提は組織の一員である個人のマインドマネジメントの成否が左右するんだろうななとぼんやりと考えていたところ、ピッタリ合致するテレビ番組をキーワードで自動録画されていたHDレコーダーからサルベージ出来た。
その番組は、「愛の貧乏脱出大作戦スペシャル-今こそ立ち上がれ!3時間スペシャル」である。
テレ東では2月27日に放送された番組が、「あれから10年・・・あの貧乏店はいま・・・」という部分がカットされた2時間番組としてサガテレビで黄金週間に放送されていたものである。
テレ東は、放送しやすい尺に編集して、ネット局以外の地方局とかに番組をセールスするなんてことをしているんでしょうか?
その時間的に言えば尺足らずの番組の内容は、貧乏ラーメン店3店がドロ沼から這い出そうと有名店で修業に励むという内容であった。
今回の指南役は田代浩二率いる麺やこうじグループであったが、番組冒頭の田代氏の言葉にハットなった。
曰く、「まずいラーメン屋さんって、今どこにもないんですよ。ってことは味じぁないんです。ラーメンが魅力的じぁなくても、ご主人にもう一回会いに行きたいって思える、人間力を学んでいただきたい。」
これって、まさにマインドマネジメントだなぁと思うと同時に、ほらねそうだよラーメン店の魅力は店主のキャラが多くの部分を担うのだよ、そういった意味ではラーメンファンはコレクター(リンク先掲示板の二つのスレはどちらも納得、つーか身につまされるオハナシである・・・)であるべきではないと確信するのであった。
まぁ、まずいラーメン店がないというのはデフォルメで、成功するラーメン店の十分条件は店主の人間性ということなんでしょう。
この番組のことをネット上で検索していたら、denshinbashira さんの遺言というブログにぶち当たった。
心理カウンセラーであるdenshinbashiraさんが、この番組を見てエントリーされているのを読んでみると、なかなか興味深かった。
(部分を以下に引用させていただく)
以前のように
本来、あたまのはかばかしくない人間で
甘えや見通しの安易さが
癌になっている人間が
根性をたたき直されるという感じかなーと
みていたが
この名人は、時ちゃんにかかっている
心理ブレーキも
松ちゃんにかかっている心理ブレーキも
よーく見抜いていて、
そのブレーキをどうしたら外せるかを
模索する。
時に声を荒げる場面もあったが
根気よく、体験させながら、
彼らのメンタルの補修をしていく。
今までのように、衝撃を与えて
相手を全否定し、
説教をして・・・というのではなく
その人間の全体性を受け入れ
弱さを包んだうえでの対処を
ほどこしていった。
なるほどそうなんだね。
麺やこうじグループの成功は必然だったんだろうと思えてきた。
遺言は忌野清志郎についてのエントリーもあったりして、久々に出会った秀逸なブログだなぁ。
ちなみに、TV東京 愛の貧乏脱出大作戦の非公式応援ページによると、2010.10.04に放送された『 8年ぶり1夜限りの復活「愛の貧乏脱出大作戦 3時間スペシャル!」』では、番組内で生存店は181店中で39店だったと紹介されたのだとか。
番組で修業しようがしまいが、成功する人は成功し、失敗する人は失敗するということなのだろう。
そういえば多久市にあった大将ラーメンも随分前に閉店してしまったようだし・・・。
ポイントとは、自己マネジメントであり人間力ということなのだな。
Posted by 今仁 at 22:01│Comments(0)
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