2011年09月26日
佐賀ラーメンの私的考察 ver.1.2
1 佐賀ラーメンについて
佐賀ラーメンの始祖は三九中華そば専門店だと思われる。その店主が一休軒本店の初代にラーメンの作り方を指導したらしい。そして、一休軒が佐賀ラーメンの代名詞だと認める人は多いことだろう。
佐賀ラーメンの味の特徴は、スープについては豚骨のみか鶏がらのブレンドで、あっさりだが穏やかに舌をくすぐる旨みを持っており、麺は中細ストレートである。
脂は控えめで「脂多目=こってり」なんて悪しき思い込みに踊らされてると、シンプルすぎて物足りないと思ってしまうほど滋味である。また、元ダレもそんなに強くない。幸陽閣という異端な激濃厚店もあるのだが。
博多・長浜や久留米と違って、ご当地ラーメンとして語られることはまずないが、広島に移転開店した一休軒本店の暖簾分け店が、京都と長崎にあった(現在は両店共に閉店)。
佐賀ラーメンを標榜する県外のお店は、前述の一休軒広島本店(本店から改名)、美登里@浅草、葉隠@横浜市神奈川区六角橋、おんごろや@浦安市猫実、葉隠本舗@小諸市西原ぐらいしかネット上では見出せない。
東京の有名店である「らーめん香月」は、以前は店主が佐賀出身というだけで、否佐賀ラーメンなのに佐賀ラーメンと呼ばれていた。韓国にも佐賀ラーメンを標榜する六本木というお店があるようであるが、味はどうなんでしょう。
2 やわ麺について
佐賀ラーメンの麺は総じてやわ麺である。博多・長浜の影響で、「固麺至上主義」が蔓延しているが、典型的な佐賀ラーメンの麺である中細ストレート麺は、「やわ」でこそスープとの相乗効果でその真髄を発揮する。
確かに時間帯によっては「硬オーダー」が必要な、大量麺揚げのお店は存在する。まっ、そんなお店でも出てきたものを享受するっつーのが、粋だと私は思うのだが・・・。
3 替玉について
これも博多・長浜の専売特許であり、本来佐賀ラーメンとは相容れない「制度」である。現在は、客側の要望が多いから経営上メニュー化されている佐賀ラーメンのお店もあるが、味は格段に落ちる。
低加水の極細麺でこそ存在すべき替玉を佐賀ラーメンに取り入れるのは禁忌である。佐賀では替玉が丼に麺だけ入れられた形で提供されることが多いが、そうなると麺が空気に触れる時間が長くなりゴワゴワとした食感となり著しく味が落ちる。
なおかつ、替玉に付着している水分がスープ゚に加わり滋味さが半減してしまう。また、平アミで麺揚げされる店では茹で釜に異なるタイミングで麺を投入することが出来ないので、込み合っている時は替玉の提供に時間がかかってしまうという欠点も。
4 リピーターについて
一度食べたラーメン店はどんなに旨くても原則としシカとし、なるべく初見のラーメン店を巡る人をコレクターと、自分が気に入ったラーメン店をヘビロテする人をリピーターと呼ぶようである。
ブログを書いていると、当然、コレクターであった方がエントリーが容易になる。しかし、私はブログのために(ためだけに)ラーメンを食べてる訳ではないし、自分の食欲には従順になりたいので好きな店に通い倒すリピーターだ。
豚骨ラーメンは、どんな名店であろうが、日々その表情を変える。場合によっては同一日の時間帯によっても。同じ味を毎日提供出来てこそ一流の料理人なのであろうが、こと地味滋味タイプの豚骨ラーメンについては例外のように思う。
絶対に予知できない、辿り着くまで見ることの許されないサンクチュアリが、滋味哀愁な佐賀の豚骨ラーメンにはあるのだ。ファーストフードのように、毎回均一な味を提供されるのは、ある意味退屈である。
日々の微妙な味の違いを楽しむのは、リピーターの特権であるのだ。あるリピート店の味が、決定的に許せないラインに堕ちたら、二度と行かないだけである。
至極シンプル。ある意味残酷・・・。
Posted by 今仁 at 09:00│Comments(0)
│ラ日報
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