2009年05月18日
麦秋によせて

野崎孝訳の「ライ麦畑でつかまえて」を読んだのは、いつ頃だったろうか?
その原題は「The Catcher in the Rye」 なのだが、何故に「ライ麦=rey」なのか不思議に思った記憶が残っている。「麦を現す語彙はどこに消えたんだ?」と・・・。
後日知ったのだが、要するに「麦」という概念は日本独特のもので、欧米では日本で言うところの麦の種類一つ一つが、個別の独立した穀物の作物名とされているようである。
Wheat = 小麦、barley = 大麦 、rye = ライ麦、燕麦 = oats 、という具合である。
「だれかさんとだれかさんが麦畑」で知られる「麦畑」は、スコットランドの代表的な民謡のひとつで、原詞は「蛍の光」の原曲の作詞者でもあるロバート・バーンズ作とされているようだが、この「麦畑」も「rye」なのである。
なんてことを、自宅のベランダから見える風景を見ながら思い浮かべていた今日この頃。佐賀平野は、まさに麦秋である。
これが小洒落たエッセイでも書こうかと思えば、小津の「麦秋」を想起したなんて書くところだか(笑)
JAさがのサイトによると、佐賀の麦の作付面積は北海道に続いて全国二位(2008年産)であり、麦の種類は大きく小麦と二条大麦に分けられるが、二条大麦の生産量は日本一(2008年産)だそうである。
ほんで、日本で価格統制が存在する唯一の穀物である小麦は、うどん麺や中華麺の原料なわけで、麺好きにとってはとても気になる存在なのだが、その小麦の佐賀での平成19年度産の検査量(生産量とどう違うの?)は、北海道、福岡についで全国三位なんだとか。
しかし、「中華麺等用」の国産シェア率は3%らしく、全国三位がラーメンの旨さに比例するものでもないわけで・・・。
とは言っても、なんと佐賀は製麺機の発祥の地なんである。
古い話ですが、未来創造堂でも、製麺機の発明者でもある、眞崎照郷が紹介されていました(第8回放送分の「コダワリのVTR」コーナー)。
もっとも、眞崎一人が発明したというのも真偽のほどは藪の中なのだか・・・。
てなことで、製麺機の発祥地であり、豚骨ラーメン界の巨人である四ヶ所さんのいる佐賀なんだから、「もっと佐賀ラーメンが注目されてもいいよなぁ」とか、「このあたりのエピソードをひっくるめて本にしたらおもしろいのになぁ」などと妄想しつつ、夕日を写し金色に輝く麦秋の風景を眺めながら焼酎をあおっていると、「その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし」なんてフレーズも思い浮かべたりするわけです。
佐賀ラーメンの世界にも、青き衣の勇者が出現しないものか・・・。
Posted by 今仁 at 22:33│Comments(2)
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この記事へのコメント
こんばんは。
そうですよ、
本にまとめる必要がありますよ。
今仁さん(笑)
佐賀新聞社もラーメン本出さないし。
そうですよ、
本にまとめる必要がありますよ。
今仁さん(笑)
佐賀新聞社もラーメン本出さないし。
Posted by ひしわんこ at 2009年05月20日 22:41
うむうむ、金と暇があれば自費出版したいところですが(爆)
佐賀新聞社と福博印刷をそそのかそうかなw
佐賀新聞社と福博印刷をそそのかそうかなw
Posted by 今仁
at 2009年05月21日 01:53

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