2014年05月18日
レストラン マルフク@佐賀市嘉瀬町中原
16日のお昼。
カツカレー860円。
去年の5月に移転するまで、マルフクは水ケ江一丁目の県立病院好生館の北門の道路対面に存在していた。
昭和のテーストを色濃く残していた店内は、間口は広くなかったが奥行きが結構あった。
「おひとり様」でしっとりしんみりした時間を過ごすには、奥まった席は最適の場所だったのだ。
一番頻繁に私が通っていた頃には、私と同じように喧騒から離れたいのか、あるいは人目を避けたかったのか、何人も「顔なじみ」の客がおられたくらいだ。
そんな「顔なじみ」の中でも特に印象的だったのは、とあるカップルであった。
外回りのサラリーマンらしき四十代と思われる男性と外見から専業主婦の匂いが漂う三十代と思われる女性。どう考えても一回りは歳の差がありそうな二人だった。
二人は言葉少なにテーブルを挟み寡黙に食事をするのが常だった。食事の後にはコーヒー。男性の方は冬でもアイスコーヒーをオーダーしていた。
会話を楽しむわけでもなく、じっとりと見つめあうでもなく、ただただ一緒に同じ場所に存在し時間を共有すること自体を楽しんでいるような姿は、なんだかほっこりさせてくれるものだった。それはまるで、信号待ちの車のなかで、隣に停車しているベビーシートに座ったやっと歩きかけた赤ん坊と視線が合い、一切の邪心や意味がない笑顔を見せられたような気分にさせてくれるのだった。
そんな昭和のいい意味で古臭く独特の空気感をもったお店が、どんどん無くなっていくのを見届けながら平成という時代を生き抜くには、精神的アレルゲンが体内に蓄積されていくことに、気付かないふりをすることが肝要なのかもしれない。

去年の5月が移転開店だから、ちょうど一年寝かせて訪問したことになる。
かなり広めのスペースに、テーブル席と小上がり席がゆったりと配置されている。
奥まった席だったら逢瀬も可能な雰囲気w
運ばれてきたカツカレーの匂いで、その味わいの記憶が一瞬にして甦ってくる。やはりここのカレーは私にとっては特別な存在なのである。
バイアスとか思い込みとか想い出補正とかの言葉を無視して、純粋に楽しめるのだから、ある意味食事を摂るという行動ではなく、思い出の曲を久々に聞いてみるという行動に似ているのかもしれない。

ほんとはスペシャルカツカレーを食いたかったのだが、エビフライが乗っかっているので、甲殻アレルギーの私は泣く泣くあきらめた。
食べ始めにはフルーツの甘味が舌をつつみ、食べ進めと行くと程よい辛さが追いかけてくる。8時間をかけて煮込まれるカレールーは、一度は経験していただきたいものである。
ドライカレーのオムライスにカレールーがかけられた「カレーオムライス」あたりもオススメです、はい。
なお、移転前の価格は消費税アップ後の現在も据え置かれていて、嬉しい限りである。

レストラン マルフク 店舗データ
■住所
佐賀市嘉瀬町中原1964-1
■電話
0952-26-6340
■営業時間
11:30~15:30
17:00~21:00(O.S 20:45)
■店休日
木曜日
■駐車場
あり
■UD
店舗入口のスライドドア前には段差なし、店内の床もフラット。客席はテーブル席と小上り席。結構に広いスペースにゆったりと客席が配置されており、一人での入店でも気おくれはない。店内は禁煙可。
Posted by 今仁 at 14:59│Comments(2)
│グルメ
この記事へのコメント
こんばんは。
マルフクをご贔屓いただきありがとうございます。
実は、3代目と同僚でした。(歳は親子ほど違いますが・・・・)
たぶん、これから修行して継ぐことになると思います、と退職しました。
頑張ってほしいものです。
今仁さんには知っておいて欲しいと思い書き込みます。
マルフクをご贔屓いただきありがとうございます。
実は、3代目と同僚でした。(歳は親子ほど違いますが・・・・)
たぶん、これから修行して継ぐことになると思います、と退職しました。
頑張ってほしいものです。
今仁さんには知っておいて欲しいと思い書き込みます。
Posted by ひろとう at 2014年05月18日 19:32
ひろとうさん、こんばんは。
うむっ、三代目でしたっけ二代目でなく・・・。
まぁ、それは置いといて、私自身のなかでも大切なお店です。
店内の水槽のなかの鮒の成長を、今後も見守りたいと思いますw
うむっ、三代目でしたっけ二代目でなく・・・。
まぁ、それは置いといて、私自身のなかでも大切なお店です。
店内の水槽のなかの鮒の成長を、今後も見守りたいと思いますw
Posted by 今仁
at 2014年05月18日 20:40

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