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Posted by さがファンブログ事務局 at

2021年03月09日

2019年02月10日

空のドリフターズ







 0
 
 僕は二十数年前に復元された天守閣を持つ城を左手に見上げながら、その隣接地のコインパーキングに停めている自分の車に向かって歩いていた。
 仕事が終わったことが僕を憂鬱にさせている。家に帰りたくないのだ。妻と二人の娘がいる家に。コインパーキングの入り口が迫ってくるにつれ、歩幅が無意識に狭くなっていく。その事実に気付き急に歩幅を戻した。そして、その入り口を通り越した。
「まぁ、しかたない。一人で飲みにでもいくか」
 僕は強めにつぶやいて、それを聴覚に再認識させ自分を正当化させようと試みた。

 女性がソファーに座った。その拍子に彼女が床に置いたティファニーのトート・バッグから、モーター音が聞こえてきた。
「ごめんなさい。ローターのスイッチがバカになっていて。ちょっと振動を与えると勝手に動きだすんです」
彼女はそのバッグ、エルメス・バーキンの中のローターを取り出し、スイッチのオン・オフを何度か繰り返し、ローターが止まったのを確認してバッグの中に戻した。
「はじめまして。ミクです。ご指名ありがとうございます」
 飲み屋街の大きな通りから一本奥に入った小路にある、レストルームと称するホテルに僕は入った。カップル向けでないし、一人客向けでもない。ホテルのファスト・フード版のような造作で、明らか特定の客向けだ。ベッドの上に横たわり、ピンとしすぎたシーツに違和感を感じながらスマホでデルヘル店を検索した。適当に店を選び、サイトに並べられていた顔にボカシが入ったいくつかの写真の中から適当に彼女を指名した。
「コースはどうしますか」
 彼女はそう言うと、60分で1万6千円からのコース別の料金を、九九を覚えたての小学二年生が、それを自慢げに諳んじるように説明した。
「このあと飲み会だから60分で」
 僕は財布の中から現金を取り出して彼女に渡した。
「いいですね、スッキリしてお酒ですか。じぁ今が0次会ですね、楽しみましょう」
 彼女はそう言いながらユニットバスの方へ歩き出して、一緒にシャワーを浴びようと促した。二人で脱いだ服をベッドの上に置き、ユニットバスに入った。
「あら、もう元気ですね」
 彼女は微笑みながら、僕の勃起した男性器に優しくシャワーノズルから出る温水をかけた。
「嫁とはセックスレスだから溜まっているんだよ」
 僕の妙な言い訳が一音も聞こえなかったかのように、彼女は硬くなったそこを細い指でゆっくりと愛撫した。
 シャワーのあと、すぐにベットに向かわずソファーに二人で座った。煙草を吸いたかったからだ。
「私も煙草吸っていいですか」
 彼女が聞いてよこすので、もちろん、と頷いた。彼女の煙草はアメリカンスビリッツのメンソールライトだった。その香りにそそられて彼女の付けていたバスタオルを剥ぎ取った。彼女の腹部には、割とはっきりとした妊娠線があった。それを見て、僕の男性器は再度、激しく勃起した。


 1   

 焼き鳥屋「ほむら」では、店内の空気が、はんなりとした気を放ってくる、古びたカウンター席の右端に座ることが多い。お気に入りの席だ。
すぐ隣にはビールサーバーが鎮座している。その奥は焼き場で、炭の熱気を微妙に右頬に感じることがある。それが確かなことなのか、あるいは酔いの微熱を僕がそう錯覚しているのかは、いまだに判然としない。年季の入ったカウンターから見える店内の風景は、このお店を初めて訪れた数十年前と驚くほど変わらない。昭和の息吹が、古い酒蔵の蔵付酵母のように空気中を漂っている様も同じだ。
このお店に初めて連れてきてくれた、僕が常連だったスナックのママは亡くなった。この店を昭和の終わりに立ち上げた、先代の大将も亡くなった。大きく安らかに、彼女たは僕の記憶の中で生き続けている。それは若冲の描く病葉のように、朽ちかけながらも強烈な生命のリアリティを放つことを止めない。
「久しぶりだね」
 僕の左側に座った老人が話しかけてきた。よく会う常連客だ。二日連続で遭遇しても、第一声は変わらず『久しぶりだね』である。
 彼は肝機能が十分に機能していないので、酔うのが極端に早い。自身で言うには、膵がんが転移し、体中にメスを入れられまくったらしい。そのせいで、胃は正常な人とは左右逆に腹腔内に納められているらしい。
 「肝臓は、私鉄バスの運転手を定年した後に、たまたま始めたラーメン屋が儲かって、飲み歩いたもんだから悪くしたんだよ。それに今は胃が逆で吸収が早いだろ。芋焼酎のロックを一杯飲んだだけで、酔っぱらっちまうよ」
 それが医学的に正しいことなのかどうかはわからないが、彼は飲み始めるといつも、その常套句を口にする。


 2   
 
 スナックというのかラウンジというのか。とりあえず若い女の子がいてカラオケも歌える『オルリー』という店である。オーナーであるママは妻の友人である。
 地元のCATV局が流している番組が原因でママとの浮気がばれたことがある、夜明けまで二人で飲みつぶれ、ママのマンションに行った。缶チューハイを飲んでいると妙な心持になった。隣町の公園までゆったりとした歩様で行う、ジョギングのようなセックスをした。夕方前に起きだして、ベランダに出て煙草を食った。その瞬間、地元のCATV局の車がマンションの前の道路を通過した。番組放送用のカメラを稼働させながら・・・。
 後日、地元の道路を走る車のフロントガラス動画に、一昔前のダンスミュージックを被せた番組が放送された。二週間ほどリピート放送されたらしい。妻は偶然その番組を見たのだ。友人の住む見慣れたマンションの見慣れた部屋のベランダで、夫が煙草を吸っているテレビ画像を見た時の気持ちはどんなものだろうか。僕には想像しがたい事象なのだが、そのこと以上に想像しがたいことがあった。
 「私の友達と浮気してるでしょう?」
 その番組が放送されてから一年後に、妻は僕に向かって言った。ありふれた口げんかがくすぶった末に・・・。

「なんか歌ってよ」
ママが僕のマッカランの入ったロックグラスに、氷を足しながら言った。
「ああ、なんでもいいよ」
「じゃ、『さっちゃんのセクシーカレー』と『メギツネ』を」
 

 3   
 
 「角打屋」という店のカウンター席の奥の壁には、焼酎のボトルが数多く並んでいる。この店のママはレズビアンで、今年、還暦を迎えた。焼酎のボトルの棚の上には、古いレコードジャケットが二枚貼られている。いしだあゆみの『ブルーライトヨコハマ』と、ちあきなおみの『夜間飛行』だ。
 僕が座った席の右奥の壁には、ジバンシィのドレスを着たオードリー・ヘップバーンの写真が貼られている。彼女の右手には、そのドレスのフォルムとは不似合いなクロワッサンが持たれている。
 隣の席には常連のカップルが楽し気な会話をしていた。彼らはというか彼女らは、トランスジェンダーのレズビアンとストレートのレズビアンのカップルだ。おまけに彼女らは、それぞれ創価学会とエホバの証人を先祖代々信仰している家系に生まれ、自分自身も信者となっている。
 なんとも複雑なカップルである。僕には、性の嗜好や宗教の選択には、先入観や嫌悪感はない。ただただ、彼女らの立場は社会的に「めんどうくさい」だろうなと思ってしまうのだ。僕が一人でいることが好きで、飲み歩く時も一人。家庭内でも実質は一人のようなものなのは、他人と関わると「めんどうくさい」と、すぐ思ってしまうからだ。そんな僕からしたら彼女らの関係は、量子コンピューターの稼働ロジックのように難解だ。
 

 4  

 レズビアンのママの店のある狭い通りから、タクシーの拾える大きな通りへ向かい歩いた。このあたりは、再開発事業にかからなかったので昔からの飲食店が数多く残っていたが、いつしか飲み屋街の中心がその事業の区画内に移動し、最近では閉める店も多くなっている。事実、僕もこのあたりを歩くのは数年ぶりだ。
ふと、開店から間もないような外装の店が目に付いた。「BAR・エイリアンズ」という看板を掲げている。なにか惹かれるものを感じ、そのドアを開けた。甘すぎる日本酒の熱燗ばかり飲んだので、ロングドリンクの美味しいのを飲みたいという気分もあった。
中に入ると、店内は10席ほどのカウンターだけのこじんまりしたつくりだった。カウンターの中には若い女性が一人きり。他に客はいない。スピーカーからは、よくありがちなジャズではなく、ザ・バンドのラスト・ワルツが流れていた。席に座るとその女性のバーテンダーが「お久しぶりです」と言葉をかけてきた。一瞬、顔見知りかと思いもしたが、いちげんの客にもそう挨拶する店があると聞いたことがあるので、多分その類なのだろう。
そのバーテンダーは「何になさいますか」と言いながら、メニュー表を渡した。座った席の正面に、オールド・トム・ジンが置かれていたので、メニューを見ずにトム・コリンズをオーダーした。女性バーテンダーは「かしこまりました」と確信のこもった声で応え作り出した。
目の前に置かれた、トム・コリンズを一口飲み、ふと視線を上げると正面にバーテンダーが立っていて、見つめあう形になった。
そして、僕はフリーズした。
 目の前にいるバーテンダーは、高校生の時に一緒のクラスにいた女の子だった。化粧をしていても、日本人とは思えないようなスラブ系がかった顔は隠せない。その女の子は転校生で、親類の叔母の家に同居しているという話だった。しかし、三年生の夏休みにその叔母は他殺体で発見され、それ以後女の子は行方不明になったのだった。いや、とその考えを否定する。
あの事件はもう四半世紀も前の話だ。目の前の女性はどう見ても二十歳そこそこにしか見えない。僕の半分の年齢だ。他人の空似以外に考えようがない。
「どうかいたしましたか」と聞いてくるので、「いえいえ、あまりにカクテルが美味しかったのでびっくりして」と答え、平静を取り戻す。いや実際、カクテルは飛び切りの味だった。
それから、ジン・リッキー、ホワイト・レディー、バラライカ、XYZと飲み続けた。そうするうちに緊張が解けて、高校の同級生に瓜ふたつだということ、あの事件のこと、その女の子が学校で際立った存在で人気が高く、僕も密かに思いを寄せていたことなどを話すと、バーテンダーは心地よい相槌を打ちつつ、微笑みながら聞いてくれていた。
「もしかしたら君はその同級生で、魔女やドラキュラの類で年をとらないというオチだったりして」
酔いに任せ軽口を叩くと、その女性バーテンダーは急に神妙な顔つきになり言った。
「そうかもしれませんよ。老化はDNAの末端のテロメアが細胞分裂のたびに短くなり、ついには新たな分裂が止まり細胞が死滅するからと言われています。もし、テロメアが短くならない突然変異を手に入れれば、不老不死とまでは行かなくても、通常の人類の数倍の寿命を手に入れられる可能性があります」
「でも、それでは活性酸素により傷ついた人体に有害なDNAまで残してしまうことになる。多くの癌細胞は、テロメアを効率よく複製するテロメアーゼという酵素の働きで、人体に有害な増殖を続けると言われているし・・・」
「よくご存知ですね。しかし、メッセンジャーRNAの真の働きなど何一つとして完全には、人類はゲノムを解析してはいないんです。本当のセントラル・ドグマは永遠に見つけられないと思います。そういった意味では、老化と無縁な、あるいは老化が著しく遅い人類の中のグループがいても不思議ではありません」
自分の中で一度否定した「同級生?」という考えを反芻していると、
「すみません、冗談が過ぎましたね」と、女性バーテンダーは笑顔を見せた。
「本気にされました?」
「いやいや、一瞬は」
それからは、好きな音楽の話とかカクテルの話とかで終始し、心地よい時間が過ぎていった。




(It may possibly go on.)
  

Posted by 今仁 at 19:32Comments(0)テキスト

2018年05月11日

ラーメンハウス@佐賀市大和町久池井



今現在、明治維新150年を記念して佐賀県内各地で、「肥前さが幕末維新博覧会」が開催されている。

で、俺にとっての佐賀のパイオニア的人物は、何といっても江藤新平なのだ。彼を題材として小説も書いたことがあるくらいだ。が、真崎照郷も捨てがたい。彼は日本で初めて製麺機を作った人物なのだ。

そんなこんなで、街中のあちこちで維新博の幟を見つめていたら、約半年ぶりにお店でラーメンを食べたくなったw
コンビニのやつやカップ麺は食べているが、それらはいずれも否豚骨だった。ベタな豚骨ラーメンを体が欲しているようであるww

つータイミングで、今日の朝刊にラーメンハウスのチラシが折り込まれていた。

ラーメンハウスが明日12日(土)と明後日13日(日)に創業32年のセールを開催するらしい。


※クリックで拡大画像表示。

両日ともにラーメンが100円なのだそうだ。かなり太っ腹な企画である。おまけに、チラシにはセール後に使える「餃子5個無料券」も付いている。


大手資本のチェーン店以外のラーメン店が、32年にわたり綿々と佐賀の地で営業しているという事実に感動してしまう。

わが町の食堂やラーメン屋・ちゃんぽん屋の閉店を数多く看取ってきた俺としては、地元に根付き多くの人に親しまられている店が、叶わぬ夢とは知りつつも、散らない桜のように永く営業を続けけてもらいたいものだと祈念してしまうのだよ。


つーことで、セール中は混雑が予想されるから、明日の開店と同時に突撃してみようかと思う。そんでもって、100円ラーメンと、このお店の隠れた逸品であるサンマーメンの二杯食いをしてやろうと企んでいるのである。

で、このブログを読んでくださった方が、俺と同じように明日の開店直後に来店し、二杯食いをしているオヤジを見かけたら、

「ヒマンジさん、いやいや違ったヒマジンさんですか??」

と、ボケて話しかけてみてくださいw

「そうそう、俺が肥満児の暇人です。ちゃうちゃう、イマジンやがな、ボケ!!」

てなカンジでノリ突っ込みしてみせますww





ラーメンハウス  店舗データ

■住所
佐賀市大和町久池井2951-1 (佐賀大和IC北・アマンディの道路対面)
■電話
0952-62-4176
■営業時間
11:00~23:00(ラストオーダー22:30)
■店休日
毎週月曜(祝日の場合は翌日) 
■駐車場
あり
■UD
入り口前に15センチほどの段差あり。店内の床はフラットで、テーブル席とカウンター席と小あがり席という席構成。席の配置がゆったりしていて心地が良い。特に小上がり席はスペースの余裕があり、家族連れにもぴったり。小学生以下にはアイスクリームの無料サービスもあり。終日喫煙可というのは、地域に根差した「チョイ飲み」の場としても親しまれているという所以だろうか。
  


Posted by 今仁 at 18:11Comments(1)ラ日報

2017年09月22日

【リプライズ】心のミシュラン・・・とろけるよなファンキー・ラーメン 第7回



2010年エントリーの再掲。

なんと、長浜一番の先代が、新店をオープンされたらしいので、その成功を祈念して。




北九州在住のブースカさんと佐賀在住の私がコラボって「心のミシュラン」というタイトルのもと、自分史の中のエポックメイキングなラーメンたちへの想いを綴っていきます。

♪その頃もぼくらを支えてたのは
やはり このラーメンだった♪



ビートルズの解散で始まり、シド・ヴィシャスの死で終わった1970年代。

スリーマイル島原子力発電所事故が幕引きをしたそのディケードの終わりに、私は高校生だった。

栗本薫の「ぼくらの時代」と甲斐バンドの「マイ・ジェネレーション」にインスパイアされ、大江健三郎の「われらの時代 」を読んだ、そんな時代である。(ヘミングウェイの「われらの時代」も読もうと思っていたのだが、未だに果たせていない・・・)


その当時、高校の友人たちと学校の帰りに、よく一軒のラーメン店に食べに行っていた。

学校終わりに何か食べに行こうとなったら、そのラーメン店か、佐賀市の呉服元町のアーケード商店街の中にあり、地下通路のようなエントリーがあった「ドルフィンの散歩」という喫茶兼バーのようなところが多かった。

そのラーメン店は私たちの間では「長浜ラーメン」と呼ばれていた。

実はだいぶあとに、その正式屋号は「長浜一番」だと気付くのだが、何度かの店舗改装を経ても必ず屋号を示す暖簾の上に、大きく目立つ真っ赤な店舗用テントがあり、そこに「長浜ラーメン」と記されてたので、てっきりそれが屋号で、「長浜一番」というのはキャッチフレーズの類かと思っていたのである。

今でも足繁く通う人たちの中にさえ、「長浜ラーメン」が屋号であると勘違いしている人は多いと思う。


そのラーメンは当時の私にとって衝撃だった。

ラーメンに関して、一休軒本店とそれ以外の一休軒本店ほどにはうまくないその他のラーメンという分類しか持ち合わせていなかったから、元ダレがビンビンと効いていて超極細麺のラーメンにはカルチャーショックを受けた。

それに加え、初めて知った替玉というスタイルも斬新に思えた。

スープの塩分濃度が高く、食べた後には猛烈に喉が渇くのが常だったのだが、高校生の頃はもちろん完食していた。

その当時、長浜一番では大食い系のサービスとして、元のラーメンと替玉9回を食べきれば無料(女性は4回だったか?)というのをやっていた。

たしか、通算5杯目と10杯目にはスープも足してくれるというシステムだったと思う。

高校の同じクラスのやつが15杯を完食したと自慢げに語っていた後に長浜一番に行ってみると、ガッツポーズをしたそいつの写真が「15杯完食」の言葉と共に店内の壁に貼り出されていた。

久しく続いていたそのサービスが終了したのは、いつの頃だったか定かな記憶はないが、サービス終了後の壁には、日本テレビ系で放送されていた「モグモグGOMBO」という番組のロケの途中で来店したらしい、ヒロミと林家こぶ平(現:林家正蔵)の写真が、記録達成者たちの歓喜の写真に代わり飾られていた。


長浜一番と言えば、福岡にかつて同名の屋台店があり(オーナーは替わったが、佐賀にも一時出店していた長浜屋台ラーメン・ナンバーワンの前身らしい)、福岡市東区にある名島亭の店主である城戸さんや一風堂の社長の河原さんが修行した店らしいのだが、もし、佐賀の長浜一番の修行先もそこならば、佐賀の長浜一番の店主は、城戸さんや河原さんの兄弟子になるというわけだ。

もし、そうでなくても、かなり昔に佐賀の地に何故に長浜ラーメン店が開店したのかというのは、実に興味深い話である。

現在店内に置かれているマッチには、直営支店が「九大病院バス亭前」と、チェーン店が「今宿店・福岡市西区今宿徳永、佐賀店・佐賀市厘外町、大阪店・旭区赤川小学校前、広島店・広島市流川よりみち通り」と記されている。

佐賀の長浜一番の所在町名が旧住所表示(佐賀市厘外町)なので、だいぶ古いもののようだ。

ちなみに長浜一番という屋号の店は、長崎や兵庫及び京都(宝フーズ関連のお店が何店もある)にも存在しているようであるが、関連はどうなのだろうか。


現在のお店は、福岡県太宰府市で「長浜紅龍」という屋号でラーメン店を営業されていた大将の息子さん夫婦が、その店を閉めてこちらに移り、主に切り盛りされているようである。

つい先日食べたら(平成22年10月8日)、スープが元ダレ主導からいくらか出汁主導へシフトしており、以前には少なかった泡立ちも多く見て取れた。チャーシューもそれほど塩辛く、何十年ぶりかの完食をしてしまった。

これは息子さんの代に店の運営の主導権が移るとともに、味が変わり始めたということなのだろうか。なかなか美味しい一杯だったので今後の期待は大きい。


はてさて、佐賀市及びその近郊の昔ながらの滋味哀愁系のラーメン店では、老夫婦で営業されていて跡継ぎがいないところがほとんどである。

しかし、佐賀市内のこの長浜ラーメン店には後継者がしっかり存在するというのは、なにか歴史の悪戯的なものを感じずにはおられない佐賀ラーメンファンの私なのだが、特段悲観するものではない。いやいや、大変喜ばしいことだ。

その歴史は、十分に「佐賀のラーメン店」として、確固たる地位を築いているのだから。


ジョン・レノンの没後30年にあたる、21世紀の最初のディケイドの最期の年である今年2010年に、長浜一番は一つの時代のエンディングと新たな時代へのリスタートを迎えているようである。






過去ログ

第1回(一休軒本店)
第2回(再来軒) 
第3回(成竜軒)
第4回(まこと)
第5回(幸陽軒)
心のミシュラン外伝1(佐賀ラーメン慕情)
第6回(いちげん)


ブースカさんの過去ログ

第1回(万龍)
第2回(八媛)
第3回(南京ラーメン黒木:前編)
第4回(久留米への想い)
第5回(黒崎の夜)
心のミシュラン外伝1(佐賀ラーメン慕情)
第6回(黒木と黒門と卵入りラーメン)
心のミシュラン外伝2(黒木への慕情)
心のミシュラン外伝3(ドンブリの巻 上)
  

Posted by 今仁 at 14:07Comments(0)心のミシュラン

2017年04月09日

二千年古木は、あんたとドロドロの夢を見るか?






二度目の応募である九州さが大衆文学賞

前回は、まずまずの出来の一次審査通過。よし、今回は大賞だ!
と、意気込んでいたら見事に残念賞ww




無念、次回こそはと覇気を維持していたら、今回が最終募集ということで賞自体が打ち止めなんだと・・・・。

残念至極。


でなことで、応募作のファイルを置いておきます。

■罪作りな徐福
https://drive.google.com/file/d/0B00F9ywpUTncd2dmRk1rcFhKVVk/view?usp=sharing


  

Posted by 今仁 at 09:28Comments(2)ネタ